2020年05月19日

日本人は大体囚人経験者

割と突然だけど、中学の頃の話。
今日の朝、会社に行く途中、ポケットに手を突っ込んでいて、ふと思い出した。


ボクの居たド田舎の町立中学校では、授業時間中は学年毎に決まった色の指定されたジャージを着ることになっていた。よくあることだろう。
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そんな環境で、ある時中学に転校生が来たんだ。

彼はごく普通の人だった。
言動も当たり障りないし、誰にとっても(教師にとっても)何の害もない人だった。
無趣味というか多趣味というか・・いろんなことをやるけど、どれか一つにのめり込むわけでもなく、かと言って飽きっぽかったり無気力だったりもしない。

今にして思えば良くわからない感じではあるけど、繰り返しになるけど、少なくとも誰かにとって害になることは決してないヤツだった。


しかし、彼の転入がある問題を引き起こした。
それが彼の着ているジャージ。

通常、転校生はしばらく(場合によっては卒業まで)、前の学校の指定制服や見回り品を使うことが許される。おそらく経済的な観点から。

それは通例になっていて、他にも少数、そういう生徒はいた。だけど、その転校生のジャージは違った。

何故なら、彼の前の学校のジャージにはポケットが付いていたから。

僕はそれまで気付きもしてなかったんだけど、確かに学校指定のジャージにはポケットがない。他の転校生の着ているジャージも、ない。
上下ともに、どこにも小物を入れたり手を突っ込んだりする場所がないんだ。

しかし、転校生のジャージには、ポケットがいくつかついていた。
それが、学校にとっては大問題だったようだ。


転校生本人から聞いたところではこんな経緯だったようだ。

・体育&生徒指導教師がポケットに気づき、転校生を生徒指導室に呼び出し、ジャージを脱がせて確認

・ポケットの中を確認する。ついでに(?)ポケットの無いところまで何かが入っていないか探られたそうな。

・その場でジャージを預かり、職員会議へ持ち込むことに。
 本人はその下に体操服(短パン)を着ていたのでその場は放免。

・職員会議の後、体育&生徒指導教師から本人に「ポケットは使うな、手も入れるな。今後禁止になるかもしれない。」と伝えられたという。


ボクは二つの意味で驚いたね。

一つは、大の大人が、一人の生徒のジャージにポケットがついていたってだけで大騒ぎすること。
そんな細かいことまでも、教師たちは生徒を縛りたいという悪意を実現するために、必死になっているようにしか見えなかったね。

もう一つは、それを無自覚に受け入れている自分。
お仕着せのジャージが、こんなくだらない細部にまで拘束の意図が入っていたことに全く気付けていなかったんだ。「学校のジャージってちょっと変わったデザインだな」くらいにしか思っていなかった。



結局、この時は、ポケットを使わないこと、使っているのを見つかったら、直ちに学校指定のジャージに買い替えることを約束させて、彼は卒業まで前の学校のジャージを着ることを許された。

まるで囚人だった。


同じように縛られている生徒達の中には、一人だけ違うジャージを着ている転校生に対して、それを揶揄したり、ポケットがついていることが何かズルをしているかのように言うヤツもいた。

囚人の中の模範囚だね。


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posted by かのぴ~ at 21:33
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