2020年03月08日

ボクの出会った東大出身者たちの話 その2

ボクの出会った東大出身者たちの話の続き

機械メーカー(現職)間接部門を渡り歩いた役人的秀才さん
この人は、上司や同じ課で一緒に仕事をした人じゃないんだけど、微妙に隣り合った役割や部門にいつもいた。
典型的な、日本的意味の「頭が良い」人。

話す言葉、内容、書く文章、人の発言や発信文書を読み解く・・なんていう基本的なところから、基礎学力がものすごく高いのが伺える。
えっ?そんなこと? と思うかもしれないけど、意外と社会人達の話す言葉書く文章って、乱れてるというか、ビジネスマナーどころか常識をわきまえてないケースって多くて、だからビジネス文書の指南書みたいなのがたくさん出てるんだよ。


どんな普通の人でも、長文書けば一つ二つミスは出る。変換ミスでも文法的なものでも、文体の不統一でも。
でもこの人は、きわめてそういうミスが少なかった。

これに限らないけど、基礎学力が極めて高い人だった。
社内のあらゆるルールの存在、その改定、周知状況を把握していたり。
ルール遵守を確認するチェック項目をもれなく作って、無駄なく確認させて・・なんていう細かくて面倒くさくいことでも、混乱せずに、整理して実現する・・なんていうことをサラっとやってのける。

何か新しい発想を持って実現するという発想はあまりない人だったんだけど、既存の仕組みやルールを解釈して適用していくという、"お手本"や"正解"が示されるともの凄い力を発揮する人だった。

決して人を直接にも間接にも馬鹿にすることはなかったんだけど、ボクはこの人と話をしているとどこか小馬鹿にされているような気分がしたものだ。
何かを相談すると、「そんなのもう決まってるじゃない。〇〇法で。」、「それは〇〇年のXX方針と矛盾する」と、さも当然のように指摘してくる。表情一つ変えないで。
そんなことも知らないの?と言われてるような気がしてくるんだ。

彼は総務部門、法務部門を渡り歩き、米国、欧州への駐在(アジアを回るボクと違ってエリートコースだ)を経て、今は役員の世話をするような部門(秘書部門と企画部門を兼ねたような)に居るようだ。

彼の優秀さは、典型的な官僚の優秀さなんだと思う。
東大って、そもそも官僚養成機関だからある意味彼が最も東大らしいのかもしれない。


茶飲み爺さん(天下り役人)
ボクの前職の某重厚長大産業は、防衛調達にも関わるし、公共事業にも関わる。
そうなってくると、当然(?)天下りで相談役やら顧問やらという名目で官僚の再就職先として受け入れるケースが常時ある。

ある程度の規模の会社ならどこでもあることなんだけどね。
そうした天下り官僚のうち半分程度は東大出身者。

特にそのうちの一人と縁が深かったので、その人の話をしようと思う。

彼は穏やかな白髪の老人。経産省だったか、国交省だったか・・外郭団体の理事か何かを兼務しつつ、会社の土木関係部門の顧問だか本部長補佐だか、そんな感じの名目で居た。特に仕事はない。

ボクは彼がデスクでお茶を飲みつつ、FT(Financial Times)を読んでいる姿が彼を見た機会の9割を占める気がする。
特に仕事がないので、思い付きで社員に余計なことを言い出したりする。

なんか英文ビジネス文書の読み方と、海外(特に英国)の背景事情を説明する・・なんて研修を提供してくれた。
新入社員だったボクは、上司に指示されて全くやる気はないけど参加した。

彼は現役時代は、とある業界改革の担い手として手腕を発揮していたらしく、またその結果いくらかの会社が業績の大幅な後退を強いられていたりするんで、偏屈な強面かと思っていた。
ところが、彼は物腰柔らかで、大人しく温厚で、すっかり人生の全てをやり終えたような落ち着きと穏やかさを醸し出していた。
彼は何物にもコンプレックスを持っていないように見える(が、もちろん事務次官にはなっていないし内心はいろいろあるかもしれないが)。そして誰にも悪意も敵意も見せることはなかった。

そして、デスクに居るのと同じように、湯飲みに淹れたお茶を傍らに置いていた。(普段からボクたち社員は紙コップに給茶機。エラい人は女子社員が急須で茶葉から淹れたものを専用の湯呑で飲む。)

彼の語る英文の流行構文や経済政策、そして習慣やエリートたちの発想、教育・・どれもこれも深い考察と経験に裏打ちされていて、とてつもない知性の高さと品性を感じたものだ。おそらく凡人(つまりボク)は一生こういう境地に至ることはできないんだろうな、と。

ボクは彼に、東大を出た人の幸福な人生の終え方の典型を見たような気がするな。




どうだろう。
彼らは幸せだろうか。

知っている東大卒業生には、もっといろいろ居る。
大手渉外弁護士の弁護士たち、コンサル、何故か下請けメーカーの社員になった借金まみれな酔っ払い・・・

彼らはみんな幸福というわけでもなければ、みんながコンプレックスや異常な競争にさらされておかしくなっているわけでもない。
むしろ、田舎の低学歴ヤンキーや中途半端な私大出身者よりもバリエーション豊かなようにすら思える。

どう?東大が何か特別なものじゃないと思わない?

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posted by かのぴ~ at 18:11| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする